卵巣機能低下に対する当院の取り組み
卵巣機能低下とは、以下の2つの状態を指します。
① 卵子数の減少
② 卵子の質の低下
卵巣機能低下は、加齢が主たる原因ですが、手術や化学療法によっても起こり、難治性不妊の大きな要因となっています。
現在、卵巣機能低下に対する根本的な治療はありませんが、卵巣機能改善を期待し、Shinjuku ART Clinicでは以下の取り組みを行っております。
①自己血小板由来成分濃縮物(PFC-FD)の卵巣注入療法
②卵子の質の向上に対するプテロスチルベンを用いた臨床研究
Shinjuku ART Clinicでは、これまでも多くの卵巣機能低下患者さまに対し、自然・低刺激周期による体外受精で妊娠・出産していただいております。
さらに多くの患者様に妊娠していただけるよう、これまでの知見を踏まえ、当院の自然・低刺激周期法の効果を最大限活かし、難治性不妊の治療に取り組んでおります。
詳しい内容の説明をご希望される場合は、受診いただくか、無料オンラインカウンセリングでお気軽にお問合わせください。
① 自己血小板由来成分濃縮物(PFC-FD)の卵巣注入療法
自己血小板由来成分濃縮物(PFC-FD)に含まれる成長因子を卵巣に注入することにより、卵巣内環境の改善や卵胞発育を促す効果が期待できることから、卵巣機能の改善がみられると考えられています。
近年、PRPを卵巣内に投与し卵巣予備能(AMH値、FSH値、胞状卵胞数)の改善や採卵個数の増加といった報告が多くなされています。
参考文献
Melo P. et al. J Assite Reprod Genet,2020,37(4):855-863.
Barrenetxea G. et al. Human Reporod 2024 Apr 3;39(4):760-769.
卵巣内注入の対象
- ・当院にて不妊治療中の女性の患者さま
- ・卵巣予備能低下と判断される患者さま
- ・胚発生不良と判断される患者さま
- ・感染症検査(HIV、HBV、HCV、梅毒、HTLV-1)で陰性の患者さま
※対象基準は、上記以外にもこれまでの診療情報をもとに担当医師が判断します。
② 卵子の質の向上に対するプテロスチルベンを用いた臨床研究
当院は、順天堂大学医学部 河村和弘教授が代表として実施する『プテロスチルベンを用いたエイジング不妊患者の卵子の質の向上に対する無作為二重盲検化比較対照試験』の実施医療機関となります。
プテロスチルベンは、ブルーベリーなどに含まれるポリフェノールで、抗酸化や抗炎症作用があります。アンチエイジングのサプリメントとして有名なレスベラトロールの約4倍の体内利用率があり、高齢で卵巣機能が低下したマウスにプテロスチルベンを飲ませることで、体外受精の成績が若いマウスに匹敵するレベルに改善されることを確かめました。
この臨床試験は、プテロスチルベンのサプリメントが加齢による卵子の質の低下を改善するかどうかを確認する事を目的としています。
ご参加いただく方の主な条件は、以下になります。
・40歳以上45歳以下の方
・当院で体外受精の治療を受ける方
その他の条件がありますので詳しい内容の説明をご希望される場合は、スタッフにお声かけください。通院中でない方は、受診いただくか、無料オンラインカウンセリングでお気軽にお問合わせください。